こんにちは。ドクターズプライムの髙橋です。 ドクターズプライムではプロダクト部門とコーポレート部門の担当役員をしています。
このポストでドクターズプライムのことを初めて知っていただく方もいると思いますので、簡単に説明します。
ドクターズプライムはこんな会社です
ドクターズプライムは「救急車のたらい回しをなくす」というビジョンを掲げ、救急医療領域で"救急病院"と"救急車を断らない医師"をマッチングするプラットフォームを運営しています。
足元はこの救急ドメインでのマッチングで市場にエントリーしていますが、その先には 医師の評価データを基軸として、医師の苦労が報われることによって全員が適切な医療を受けられる世界を作ること を目指しています。
このポストではドクターズプライムが今年行った資金調達とその背景についてお伝えするとともに、ドクターズプライムそのものを知っていただく機会になればと思っています。
1.8億円の資金調達をしました
広報のタイミングを逃してしまいオープンにできていなかったのですが、会社としての今年の大きなニュースは資金調達をしたことでした。
調達金額は1.8億円です。
しかし一般的なスタートアップの資金調達との違う点は、1.8億円の全額がデット(借り入れ)によるものである点です。
今回は日本政策金融公庫様より資本性劣後ローンという形式で1.5億円、某都市銀行様より0.3億円の借り入れという内訳で、合計1.8億円の資金調達を行いました。
資本性劣後ローンとは帳簿上は負債でありながらも、金融機関の審査にあたっては自己資本としてみなすことのできる、資本の性質をもつローンです。
また劣後ローンということで債権としての優先順位が低く、このことも資本的な性格を支えています。
資本性劣後ローンについては以下のページが詳しいです。
いままで資金調達をしなかった理由
多くのスタートアップが初回の資金調達でエクイティによる数億円の資金調達を行うことが主流になっている中で、ドクターズプライムはこれまで一度もエクイティ・ファイナンスを行っていません。
これはエクイティ・ファイナンスを行わないという意思決定をしていたわけではなく、ひとえに採用が進まなかったことが理由になります。
資金調達ニーズがなかった
ありがたいことに断らない医師と病院をマッチングする採用プラットフォーム事業がご好評をいただいており、収益が順調に積み上がり創業初年度から3期連続で通期黒字化が実現できていました。
またその一方で、HR専任者がおらず(2021年末の現在もそうですが)創業者が各種事業推進と兼務しながら採用を行っており、採用が進んでいませんでした。
ソフトウェアスタートアップの資金の主要な使い道である採用が進んでいなかったため、銀行口座にお金が積み上がり続けて使い切れない状態になっていました。
それゆえに外部資金を取り入れる必要性がありませんでした。
※これは会社が潰れないという意味では一見ポジティブに見えますが、経営としてはROA(Return On Assets)が悪い、つまり資産を適切な投資に振り向けられていないという意味で中長期的にはネガティブです。
今回資金調達を行うことになった理由
最初のエンジニアの入社が決まり、エンジニア採用が本格化したことがきっかけです。
先述のとおり、これまで創業から3期連続の通期黒字で決算を終えてきており、結果として赤字を掘って進めていくスタイルの経営ではありませんでした。
これは積極的に選択したスタイルではなく、採用を進められなかった結果として、ソフトウェアビジネスにおいて一番大きな費目になる開発人件費が増えなかったためです。(本当はもっと採用進めたかったのでここは反省点)
2020年末に初めてのエンジニアの入社が決まり、そこから採用が少しずつ進む中で、Jカーブを描きながら二次関数的な成長を実現するための投資を行うスタイルへの移行が進み、資金ニーズが生まれました。
エクイティ・ファイナンスをしない会社ではない
デット・ファイナンスで資金調達をした理由
VC等の投資家の方々からリスクマネーを投資していただくということに対する、会社・経営陣の責務は「一定期間内で期待値以上のリターンを生む」だと考えています。
そのためにはアーリーステージであればあるほど、1年や1.5年などの一定期間内で調達した金額を使い切り、事業・企業価値を上げて次のラウンドにつなげることが求められると考えます。
※上記は当時、同じくらいのステージで調達済みの起業家や投資家さんとのディスカッションを通じて形成された考え方であり、現在はまた資金調達環境が変わってきてるため、上記よりさらに一歩進んだ考え方が主流かもしれません。
このような考えに基づくと、自分たちが積み上げてきた利益剰余金すら使い切れていない(採用に踏み込めていない)段階で、エクイティ・ファイナンスで資金調達をしたとしても、その資金を1~1.5年で使い切って次のラウンドにつなげていくほど採用を進められず、同じように資金を銀行口座の中で寝かせてしまうのでは?という恐れがありました。
そのため、採用が本格的に軌道に乗って、きちんと調達したお金を適切に投資できる体制が整ってからエクイティ調達を行うべきという結論になりました。
幸いにも創業以来、黒字決算を続けてきて財務面が健全であったため、借り入れする側としてはとてもありがたい条件でお話ができたことも、今回の資金調達を全額デット・ファイナンスで行うことの後押しになりました。
エクイティ・ファイナンスを行っていく
よく今後もエクイティ・ファイナンスはしないのですか?やステルスでやっているのですか?という質問をいただくことがあります。
答えはどちらもNoです。
これから順調に採用が進んでいくと、自己資金だけでは必要な費用を賄えなくなってきて、必ず大きな資金ニーズが生まれます。
具体的には来年中のどこかのタイミングでエクイティ・ファイナンスによる資金調達が必要なタイミングが来るのではないかと考えています。
これまでは様々な歯車のかみ合わせでたまたまエクイティ・ファイナンスとは縁遠かっただけで、決して自己資金だけでやっていこうとしているわけではないですし、VCを始めとする投資家の方々ともお会いしてディスカッションをしてきています。
HR専任者の入社決定、採用の歯車が好転
また実際に今年の7月からブログの運用による発信の強化を行い、12月には全員でアドベントカレンダーを運用し、これらの影響で興味を持っていただける方の数が増え、採用の歯車が徐々に好転し始めているのを感じています。
さらに、年明けには初めてのHR専任者と初めてのコーポレート正社員の入社が決まっており、チームの規模拡大に向けて順調に進み始めています。
これらの採用進捗の兆しが見えており、人件費を中心とした費用の増加が見込まれるという観点でも、そう遠くないタイミングで初めてのエクイティ・ファイナンスを行う機会が発生するのではないかと考えています。
これからも各種発信やドクターズプライムを知っていただく機会を通じて採用活動を進めていきますので、ドクターズプライムに興味を持っていただいている候補者のみなさまや投資家のみなさま、2022年も引き続きよろしくおねがいいたします!
一緒に働く仲間を募集しています
ドクターズプライムでは「救急車のたらい回しをゼロにする」というビジョンの実現に向けて、病院向けのSaaSプロダクトおよび、医師/病院間の最適なマッチングを提供するマッチングプラットフォームを展開しており、一緒に働く仲間を募集しています。
まずはカジュアルにお話ししてみませんか?