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「救急車たらい回しをゼロにする」ドクターズプライムの公式ブログです

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医療業界に必要なのはDXを超えた「業界のニュースタンダード」。救急医療のペインを解消して目指す新しい評価経済づくり

こんにちは。代表の田です!

医療業界はいま、少子高齢化や新型コロナウイルス感染拡大により業務が逼迫し、課題が山積みです。 そんな今こそ、新たな仕組み化や評価制度が求められています。

救命救急医として勤務していた経験を活かして自分にできることはないか。 そんなことを考えて動き出したのが、2016年のことでした。 ドクターズプライムが誕生する前の、週末起業をはじめたタイミングです。

医療業界の従来の課題を仕組み化で解決し、あるべき状態へ落とし込んだ業界のニュースタンダードをつくることを目指すようになりました。 そしてその手段の一つが、断らない医師採用を実現するプラットフォーム「Dr.'s Prime」です。

5周年を迎えたドクターズプライムが目指す世界を、この機会に今一度書き記そうと思います!

こんな方へオススメの記事です!

  • 医療業界の構造的な課題を知りたい方
  • ドクターズプライムが実現したい未来について知りたい方

救命救急で「たらい回し」が起こる3つの原因

総務省のデータによると、令和2年中の救急車による救急出動件数は約600万件と発表されています。病院の受け入れ拒否回数は年間約170万回。さらに受け入れ拒否回数の増加に比例するように、2021年の患者の平均輸送時間は40分にまでのぼります。長時間化は病院のたらい回しを証明する1つのデータとも言えるでしょう。

では、たらい回しが起こる原因は何でしょうか? 私には大きな要因が3つあると考えています。

1つ目は前述した通り、受け入れる病床数が足りないことが原因です。2つ目は処置困難の場合です。病院の設備不足や専門医の不在、経営難により救急部門の減少や閉鎖が相次いでいます。これにより、救急対応が可能となる十分な医療提供ができる体制が整っていないのです。

では3つ目は何でしょうか?

それは、日本国内での医師に対する評価制度がないことだと考えています。

例えば同じ病院に、懸命に努力して救急対応をし続ける医師と、そうでない医師がいた場合、本来どちらが評価されるべきかは明白なはずです。しかし現在の医療業界では、その専門性の高さから評価制度が設計・運用されていないため評価には医師の頑張りが反映されません。これでは頑張りが正しく評価されず、医師はモチベーションを維持しにくくなります。

このままではいけないと感じたことが「Dr.'s Prime」のはじまりでした。2016年のことです!

週末起業で事業検証した創業期

現在提供している医師採用プラットフォーム「Dr.’s Prime」の構想を思いついた私は、まずは当時働いていた企業での本業を継続しながら、週末起業の形で事業検証をはじめることにしました。

そんな当時の私の仲間になってくれたのが、のちにドクターズプライムで取締役となる高橋です。おかげで数日のうちに事業のニーズを得られ、リーンな事業立ち上げに成功しました。

それから毎週土日、そして毎朝出勤前の8:30-10:00ギリギリまで、六本木ヒルズ近くにあるカフェ「シナボン」の2階を私たちの“オフィス”としていました。ときには自分が「Dr.’s Prime」の医師ユーザーとして病院の現場に駆けつけたこともあります。当時はがむしゃらでしたが、後から振り返っても、ニーズや課題を把握するのに役立つ貴重な経験だったと思います。

2018年、ついにフルコミットすることを決意しました。次の拠点は当時 東京駅にあったXBridge(XTech社のインキュベーションオフィス)でした。ここに入居を決めたのは、高橋の以前の上司である西條さんとのご縁がきっかけでした。

週末起業での事業検証の結果もあり、おかげさまでサービスは順調に成長しました。2018年10月にはARR1億円を突破。医師および病院とのネットワークも徐々に拡大し、のちに目指す「新しい評価制度」確立の基盤を整えていきました。

ドクターズプライムが目指す「医師の新しい評価経済をつくる」こと

ここから、ドクターズプライムが目指す医師の新しい評価経済の仕組みについて紹介させてください。それは、医師の目線を患者さんと揃えるために、医師評価の仕組みをつくり、患者さんが納得のいく最善の医療を受けられる世界の実現に必要なものなのです。

具体的な話をします。 医療機関では民間企業が目標達成によって事業拡大するのとは異なり、受診数や受け入れ数などを達成目標に掲げている病院はほとんどありません。

そのため、医師個人の視点からすると、受診数などの目標達成よりも個人のキャリアを切り開く論文や研究が興味の中心になりがちです。稼働量に見合ったインセンティブ設計および評価制度のない状況においては、救急搬送は積極的に受け入れるモチベーションに繋がらず、救急の受け入れ拒否が起こりやすい状況となっています。

ただ、あくまで重要なのは、医師個人が悪いのではなく、医師を取り巻く構造に課題があることです。そこで、ドクターズプライムではすべての医師が使うサービスの裏側で「医師の評価経済をつくる」ことが重要だと考えています。

たとえば、高額アルバイト求人提供のサービスでは、「救急車を断らない」というルールに従った場合、インセンティブとして高額給与を得ることができます。今までは報われにくかった医師の行動(具体的には患者さんにより良い診療を提供すること)もドクターズプライムの評価の仕組みにより報われやすくなります。

DX化のような「新しい技術」だけでは意味がない

「医師にとっても頑張りが認められる世界をつくる」のがドクターズプライムの使命です。今後、診療、診療外それぞれの頑張りがインセンティブに繋がる世界をつくります。 具体的には、「患者さんのためになる技術」を医師が使いたくなるインセンティブ設計、評価制度を磨き続けます。

医療業界に必要なのは、医療現場における煩雑な業務をDX化するだけでなく、さらに上流の、医師の頑張りが評価される社会という「業界のニュースタンダード」をつくり、実現することだと考えています。そしてそれが、目指すべき「新しい医師の評価経済」だと考えています。

そこでドクターズプライムでは、「救急車のたらい回しをゼロにする」というビジョンの実現に向けて、病院向けのSaaSプロダクトおよび、医師/病院間の最適なマッチングを提供するマッチングプラットフォームを展開しています。事業についてはこちらでも説明していますので、より具体的なアプローチ方法はぜひ確認いただけたら嬉しいです!

医療スタートアップのドクターズプライムが5周年を迎えました

この世界の実現のためには、まだまだ課題が山積みです。

一緒に「医師の新しい評価経済づくり」にチャレンジしてくれる働く仲間を探しています!ぜひ少しでも興味を持ってくれた方がいれば、連絡していただけると嬉しいです。 よろしくお願いします!

careers.drsprime.com