こちらはドクターズプライム Advent Calendar 2021の18日目の記事です。これまでの記事はこちら
こんにちは!今日の記事は、昨日に引き続き鈴木が担当させていただきます!
今回は、ドクターズプライムが行っている行政や救急隊と連携した取り組みについてご紹介します。
また、直接行政や救急隊へ訪問した経験のあるメンバーが実際に体験した現場の感触について語ってもらっています!
こんな人におすすめ
- ドクターズプライムのサービスについて知りたい方
- 救急搬送の課題や実態について興味がある方
救急隊連携サービスとは?
ドクターズプライムが実施している救急隊連携サービスとは、救急隊と病院との連携をサポートするサービスです。具体的には弊社から派遣した勤務医師の情報や医師の受け入れ実績の共有を行っています。*1
これらを実施することで、救急隊にとっては「医師の情報を参考に搬送先を選ぶ」ことができ、適切かつ迅速に搬送先を判断することができます。
なぜ、救急隊連携サービスをやるのか
実は、この救急隊連携サービスはドクターズプライムの立ち上げとほぼ同時期から開始されています。
なぜかと言うと、ドクターズプライムが目指している「救急車のたらい回しをゼロにする」ことを達成するために必要不可欠なサービスだからです。*2
どこに受け入れ可能な医師がいるのかを事前に救急隊が認知しておくことで適切な医療機関への搬送ができ、救急のたらい回し改善に直結します。
そのため、救急隊との連携サービスは救急隊や病院への価値提供だけでなく、ドクターズプライムのミッションを達成する上でもとても重要なのです。
救急要請から病院搬送までの仕組みと流れ
まず、前提としてどのような流れで救急搬送が行われるのかについて簡単に説明します。
救急搬送は、画像の通り下記の流れで発生します。
- 患者が救急車を要請する
- 救急隊が現場に到着
- 近隣の搬送できる医療機関を探す
- 搬送先が見つかり次第、病院に搬送→到着
しかし、3の時点で近くに受け入れ先が見つからないと、救急隊がとにかく色々な病院に電話して搬送先を探すことになります。見つからないと、30分ほど電話をかけて、見つかってから病院に搬送するということもあります。
病院に到着するまでの時間が長くなることで、患者さんの命が危険に晒される場合があります。これが実際に、日々起きている救急車のたらい回しです。
また、昨日の記事でもお話しした通り、救急車の受け入れは、基本的に病院にいる医師が患者の情報をもとに判断しています。受け入れることができる患者さんでも、医師のスタンスやスキルによっては、様々な理由をつけて救急車を断る場合があります。*3
つまり、基本的に一人の医師による意思決定で救急車を受け入れるかどうかが決まるため、「その病院にどんな医師がいるのか」はとても重要なのです。
現状の課題
現状の課題として、そもそも「医師が断ってしまう」というたらい回しの構造はあるものの、「搬送先が決まらない」という点もあります。
これは、受け入れてくれる医師がいるところに搬送したいのに、現状のシステムではそこまで見分けることができていないというのが大きな要因です。
救急隊は搬送先を選ぶ際に独自の情報システムを利用しているのですが、今のシステムでは「どんな医師がいるのか」までは判断が難しいという現状があります。*4
救急隊連携サービスで解決できること
ドクターズプライムの救急隊連携サービスでは、病院・救急車・ドクターズプライムそれぞれが感じている課題を解決します。
最初に説明した通り、ドクターズプライムのメリットは当社が目指す「救急車のたらい回しゼロ」に近づくことができることです。
また、救急隊に病院にいる医師の情報を提供することで、受け入れてくれる医師に「適切かつ迅速に搬送できるように」なります。
さらに、ドクターズプライムが医師を紹介することで、医師が救急車を断ってしまうことで信頼や売上の減少に悩む病院の課題も解決します。
行政と救急隊に聞いた生の声
ドクターズプライムでは、約1年ほど前に救急隊との連携サービスを強化・拡大すべく関東圏内の行政や救急隊へのアプローチを行っていました。
当時、私も代表の田と一緒に厚生労働省、東京消防庁や県庁などの行政機関から地方の救急隊まで各地を飛び回って地域全体で連携できないか模索していました。
また、他のメンバーも救急隊を訪問して課題についてのヒアリングや連携の打診を行う活動をしていました。
そこで、今回は実際に行政や救急隊を訪れて得られた知見や感想を当時のメンバーに聞いてみました。
実際に行政や救急隊を訪問してみてどうでしたか?
鈴木:田さんとは、一時期毎日のように各県庁を回っていましたよね。実際に行政の方と触れる中で、どのような課題や印象がありましたか?
田:医師の適切な情報が行政や自治体からも求められていることは実感できました。
行政の方も課題を感じていて、すでにシステムの導入や取り組みを行っているものの、なかなかそれをうまく運用できていないという声は多く聞きましたね。
それを元に、一部地域の救急隊と連携することができたのは大きな収穫でした。
複数の機関が関係しているのでまだまだ難しい問題ではありますが、ドクターズプライムが介在することでより適切かつ迅速な救急搬送ができればと思っています。
鈴木:そうですね。
鈴木:高井さん、大貫さんは救急隊にも病院にも話を聞く機会があったかと思いますが、現場の方からはどのようなご意見が多かったのでしょうか?
高井:ある救急隊を訪問した時に、搬送先を選ぶ情報システムの一部を見せていただきました。既に導入されているシステムがうまく機能していないことがあるという話を聞いてもっと改善できる部分があるなというのは感じました。
また、病院に救急隊との連携サービスを提案したときは、「こういうのがあるといいよね」という声が多かったです。病院も地域医療の課題を認識しているんだなと感じました。
大貫:私が訪問した地域では、救急隊の方が「この先生は救急車の受け入れが良くて、あの先生は悪い」と話していて、現場の方も救急車を断る医師を覚えているほどたらい回しが習慣化しているのだと驚きました。
ドクターズプライムが診療科や医師の属性など救急隊の方が求めている情報を届けることで力になれる部分があるなと感じました。
鈴木:そうだったんですね。私は特に搬送時間が長い(たらい回しの課題感を感じている)地域の救急隊の方とお話しする機会がありました。
その方から「自分たちでは正直どうしようもなくなっている。ドクターズプライムが変えて欲しい」と話をしてもらったときは本当に現場の方が困っていることを実感しました。
鈴木:プロダクトチームも現場のシステムを見学にいきましたね。目の前で救急要請が発生したりと、とても貴重な経験をさせていただきました。エンジニアやPdMの視点から実際に目の前でシステムを見た感想を教えてください。
生沼:消防本部の人が 119 にかかってきた電話を取って状況を確認したり、管轄の救急車の位置がリアルタイムに映画のスクリーンのようなモニタに映されている光景は圧巻でしたね。
地域を司どるシステムのスケールの大きさやその重要さを感じました。
福田:私も救急隊の方々が使用していた命を救うシステムの大きさに圧倒されました。
同時に、実際に救急出動を迎えた救急隊の方々のあまりにもスピーディな対応がとてもかっこよくて、感動を覚えました。
鈴木:本当にすごい迫力でしたよね。見学にいかせていただいたメンバーがシンゴジラみたい!と言っていたのをよく覚えています(笑)
救急隊連携サービスは、まだまだこれから
現在は、導入していただいている病院の周辺地域を中心に救急隊連携サービスを提供しています。
実際に救急隊の方のお話を聞いて、受け入れてくれる医師がいる病院に真っ先に搬送できる仕組みを作れるように日々サービスの改善を行っています。 また、弊社のミッションを達成するためにももっと多くの地域に拡大していきたいと思っています。
終わりに
今回は、ドクターズプライムが「救急のたらい回し」をなくすために行っているサービスの一部をご紹介しました。
実際に救急隊の方々の話を聞いて、救急の現場で実際にたらい回しが起きていること、構造的に救急隊や病院の力だけでは解決が難しいことを実感しました。
それまでにも田さんの実体験を聞いていましたが、現場の方からの声を聞いて、より一層この課題を解決したいという気持ちが強くなりました。
この記事を通して1人でも多くの方に医療現場の課題や弊社の目指す方向が伝わっていれば嬉しいです。
まだまだ医療現場の課題は山積しています。 今後何かあっても安心して医療を受けられる未来を一緒に作っていきませんか?
まずは一度ドクターズプライムが現在進めている事業や今後描いている未来について、お話しできると嬉しいです。
一緒に働く仲間を募集しています
ドクターズプライムでは「救急車のたらい回しをゼロにする」というビジョンの実現に向けて、病院向けのSaaSプロダクトおよび、医師/病院間の最適なマッチングを提供するマッチングプラットフォームを展開しており、一緒に働く仲間を募集しています。
まずはカジュアルにお話ししてみませんか?