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ドクターズプライムって実際どんなサービス?地域の救急改善例を病院と語る

こちらはドクターズプライム Advent Calendar 2021年17日目の記事です。これまでの記事はこちら

こんにちは!ドクターズプライムの鈴木千珠です。ドクターズプライムでは、最近まで約1年間カスタマーサクセスを担当しており、現在は新規事業チームに所属しています。

今回は、ドクターズプライムのサービスを導入して実際に救急体制を改善した病院にサービスの活用に携わった田、吉田、山田、大貫、鈴木が導入後の感想や変化についてお話をお伺いさせていただきました。

病院のインタビューをもとに、ドクターズプライムが提供しているサービスについてご紹介します。

こんな人におすすめです

  • ドクターズプライムがどんなサービスを提供しているのか知りたい方
  • カスタマーサクセスの業種に興味がある方

ドクターズプライムのサービスとは

病院の事例を紹介させていただく前に、ドクターズプライムのサービスとカスタマーサクセスの業務について簡単にご説明します。

サービスの背景

ドクターズプライムのサービスの背景として、「救急車のたらい回し」があります。

救急隊が患者を病院に搬送する際に、病院で待機している医師が様々な理由で受け入れを断ることで、本来であれば近くの病院で受け入れることができる患者さんの処置が遅れてしまうことがあるのです。

これには医師が頑張っても評価に反映されない、構造的に医師の評価制度を構築するのが難しいなど様々な要因が複合的に絡みあっています。

救急車のたらい回しの背景や詳細についてはこちら

blog.drsprime.com

ドクターズプライムのサービス概要

そこで、ドクターズプライムでは、独自のインセンティブや評価制度を活用し、原則的に救急車を断らない医師を病院に紹介するサービスを行っています。

その他に、下記のような救急車の受入体制を改善するコンサルティングサービスも提供しています。

  • 医師の採用支援
  • 救急体制を改善するためのルール作り
  • 救急車受入状況のデータ分析
  • 救急隊との連携 etc...

ドクターズプライムの医師紹介サービスの全体図

カスタマーサクセスの業務

カスタマーサクセスでは、導入していただいている病院の課題解決や活用支援のため、主に下記のような業務を行っています。

  • データを用いた定量的な顧客の状況評価
  • 定例ミーティングなどによる定性的な状況評価
  • 医師採用促進のためのアプローチ
  • 新規顧客のオンボーディングサポート
  • 救急車受入体制構築のためのマニュアル作成や医師へのフィードバック
  • 院内の救急データ分析

奈良西部病院様へのインタビュー

今回は、具体的にサービスの活用事例をお伝えするため奈良西部病院の地域連携室長 兼 総務課長の松田様(以下、松田)にお話を伺いました。

奈良西部病院は、無料のデータ分析の利用後、2020年11月から採用サービスを導入しています。また、2021年5月~2021年11月に採用と救急コンサルティングのサービスもご利用いただき、今年度の救急車受入実績が例年の実績を大きく上回りました。

導入のきっかけ

松田:元々夜間の勤務体制を変えたいという気持ちがあり、2020年10月ごろにドクターズプライムから電話でサービスの紹介があり、救急車の受入状況のデータ分析を利用したのがきっかけでした。

症例別や医師別のデータを分析して院内の課題が改めて明らかになり、院内でも何度も話し合って採用サービスを導入することを決定しました。

導入前に提示していた救急データ分析のレポート

導入前の課題

弊社鈴木(以下、鈴木):導入前には、どのような課題があったのでしょうか?

松田:課題は2つありました。1つ目は救急車の搬送件数が低くなっていたことがあります。 要因としては近隣に病院が新しくできたり、県の大きな病院が移転してきたことでこれまで奈良西部病院に来ていた搬送が他の病院に流れてしまっていました。

2つ目は救急車の受入率の低さです。積極的に受け入れてくれる医師も少なかったです。 これらの課題から救急体制を改善していきたいと思っていました。

弊社大貫(以下、大貫):導入前にも、松田様が院内で様々な改善策を行っていたんですよね。

松田:救急車の断り理由や医師別の実績などを集計し、レポートとして報告をすることはありました。ただそのデータから具体的な対策をするということはできていませんでした。

また、当直室(夜間に医師が待機する部屋)に張り紙を貼って注意喚起や、救急受入れの現状を面談をして伝えるようなことは行っていました。現場の看護師さんにもなんとか受入れするように依頼したりと、まずは院内でできることを始めていました。

しかし、夜間勤務の体制は医師ありきの話になってくるので、効果的な対策はできていなかったです。医師が変わらないことには、対応出来る診療範囲が変わらない、根本的な解決にならないと感じておりました。

大貫:松田さんの熱い想いに、私たちも採用を通じて「絶対に改善したい」という気持ちでした。

松田:正直なところ、元々知っている会社でもなかったですし、奈良県では初導入ということもあり最初は半信半疑でした。しかし、何度もコンサルタントや代表の方とお話する機会を設けていただいたり、社員のみなさんの一緒に改善していきたいという思いがとても伝わってきました。今のまま待っていてもよくないと思い、導入をすることを決めました。

理事長がドクターズプライムの代表とお話する機会を設けていただいたりしたので、院内全体でも信頼感を得る形となったと思います。

導入後の実績

鈴木:採用サービスの導入後には、救急実績にどのような変化がありましたか?

松田:今のペースだと、今年度は例年と比較して救急車の要請台数・応需台数が約200台増加する見込みです。

実際に実績が出ているので、病院内の人にも導入していることを自信を持って言えますし、患者数が増えることで院内の雰囲気も活発になりました。

奈良市の消防からも「最近救急車の受け入れ台数が増えている」という話をされ、病院の印象が前向きになっていると思います。 実際に投資した以上の効果があったのではないかと感じています。

年度ごとの救急要請数・救急応需数のグラフ。導入後約1年で例年の実績を超え数十年ぶりの救急車受入数を達成する勢い。

月ごとの医師採用数(棒グラフ)・求人の応募率(折れ線グラフ)のグラフ。現在では安定して採用できる状態になっている。

院内ではどんな変化があったのか

大貫:採用サービスを導入してから、院内では何か変化がありましたか?

松田:今では、救急車を受け入れることが当たり前になっているというのが一番大きな変化かもしれません。正直なところ、これまでは受け入れが少なくてもそれが当たり前になってしまっていた雰囲気がありました。今は「まず取ろう」という精神が、院内に浸透しています。

また、これまでは「医師に来てもらっている」という立場でなかなかこちらから救急車の受け入れをお願いしにくい空気がありましたが、ドクターズプライム経由で沢山医師が来てくれるようになったことで、医師の入れ替えや可能な限り救急受入をしていただく要求ができるようになりました。

救急体制の改善を実現できた要因

鈴木:サービスにおいて、特にどんな点で価値を感じていただきましたか?

1. 救急隊との連携

松田:いくつかありますが、1つ目は救急隊へのアプローチです。 これまでも私が救急隊へ訪問していましたが、他の病院も同様のことをしているので正直差別化はできていなかったのかなと思います。

ドクターズプライムの山田さんと一緒に救急隊を訪問したり、毎月ドクターズプライムから実績や勤務予定を送ることで救急隊も病院の積極的な取り組みを認知をしてくれたのではないかと思っています。

弊社山田(以下、山田):導入後に松田さんと一緒に消防隊を訪問したのが懐かしいですね。

松田:そうですね。院内でも、救急隊ともっと連携して救急要請を増やそうという意識が高まっていたと思います。搬送に来た救急隊に対して、院内の者が「しっかり救急車を受け入れるので今後もよろしくお願いします」と一言かける場面も見受けられました。

こうした取り組みで救急搬送が増えることで、院内にも活力が出ました。

2. 院内でのルール作り

松田:2つ目に、勤務時のマニュアルはやって良かったと感じました。導入前にも簡単なマニュアルがあったものの、不十分な点もありしっかりとは機能していませんでした。ドクターズプライムと一緒に作成したことで、外部の知見も取り入れた詳細なマニュアルを作成することができました。

また、病院が独自で作ってもあまり医師に伝わらなかったんじゃないかと思います。ドクターズプライムと共同でルールを作成し、勤務する医師に徹底することでうまく機能しています。

松田様と弊社大貫が作成した勤務時のマニュアル。受け入れの基準などを詳細に記載し、勤務する医師に共有している。

山田:サービスを活用できた点として、松田様が院内で推進してくれたというのもとても大きいと思います。院内で話を進める上で、大変だったことなどはありましたか?

松田:院内での調整は大変でしたが、実際に数字を見せたり諦めずに何度も話を重ねることをしていました。私自身も院内で導入を進めた手前、絶対に実績を出さなければと思っていました。

導入後のギャップ

鈴木:サービスの導入後に感じた課題やギャップなどはありますか?

松田様:搬送数がすぐにはなかなか伸びなかったことです。導入して半年間くらいは横ばいな状態が続いていました。

鈴木:救急要請数の増加に関しては弊社でも苦悩して、松田様とも様々な方策を検討させていただきました。しかし、直近では要請数も右肩上がりになっている印象がありますが、どのような要因があったと思いますか?

松田:近隣の病院の外部要因などもあるかと思いますが、院内の救急車応需率が伸びて7月に日中の応需率100%を達成できたことと救急隊への連絡を継続したことが大きいのではないかと思います。

今は朝出勤した後に、前日どのくらい救急車を受け入れてくれているか楽しみにしています。日々受け入れ台数が改善しているのを見ると「よっしゃ!」となりますね。

山田:そうなんですね。これまでも朝の確認はしていたんですか?

松田:確認していましたが、これまでは救急車要請がないことがほとんどだったので、大体は「また0台だな」と残念に思っていました。

救急車受入数・入院数が改善し、28年ぶりに新調した奈良西部病院の救急車。

今後の展望について

鈴木:サービスのお話をお聞かせいただきありがとうございました。病院としての今後の目標はありますか?

松田:救急車の搬送数をもっと増やしていきたいですね。安定して救急要請がきて、病棟が活発に活用される状態を目指していきたいです。 そのために、ドクターズプライムでの医師採用を継続して、定期的にデータ分析などを利用できればと思っています。

一同:嬉しいお言葉ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します!

左上から時計回りに、松田様(奈良西部病院)、鈴木、大貫、吉田 、田、山田

終わりに

今回は、データ分析での課題発見 → 医師採用による根本解決 → 採用・救急コンサルティングによるデータ分析や救急隊との連携で弊社サービスをご活用いただいた事例を紹介させていただきました。

また、今回の事例は院長先生や常勤の先生方、看護師の皆様、コメディカルの皆様、事務職員の皆様、松田様など院内の皆様のご協力があってこそ実現することができました。改めて、感謝申し上げます。

ドクターズプライムのカスタマーサクセスでできること

私自身が実際に約1年間カスタマーサクセスを経験して、現場の課題に一番近くで触れることができ、当社のミッションである「救急車のたらい回し」解決に貢献する実感を一番感じられる部署ではないかと感じています。

また、具体的には下記のようなことが経験できます。

  • 顧客と直接向き合い医療現場の課題解決に取り組める
  • 若手でも新規サービス立ち上げ経験ができる
  • まだサクセスの仕組みが構築されていない部分があるので、現場の声を元に仕組み化を経験できる

今回の記事ではご紹介しきれなかった、弊社のサービスや医療現場の課題についてお話ししませんか?

一緒に働く仲間を募集しています

ドクターズプライムでは「救急車のたらい回しをゼロにする」というビジョンの実現に向けて、病院向けのSaaSプロダクトおよび、医師/病院間の最適なマッチングを提供するマッチングプラットフォームを展開しており、一緒に働く仲間を募集しています。

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