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「救急車たらい回しをゼロにする」ドクターズプライムの公式ブログです

1人目アナリストがぶつかった壁とその乗り越え方

最初の中途メンバーとして入社したデータアナリストのanbooさんに、入社の経緯に続いて、入社してからのお話を伺いました。

前編の記事はこちら: ”はじめての中途入社”はデータアナリストでした。その裏側をお話します

※写真撮影時のみマスクを外しています

この記事に登場する人

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大塚 杏里 (@anboo)

メルカリに新卒入社し、PM・データアナリストとしてGrowth Marketingに取り組む。半年間の業務委託期間を経て、2020年4月にドクターズプライムに入社。現在はデータアナリストとプロダクトマネジャーを兼務する。

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高橋 京輔 (@kyosuke)

サイバーエージェント、メルカリでプロダクトマネジャーとしてプロダクト開発に従事したのち、ドクターズプライムを代表の田(でん)と共同創業。ドクターズプライムでは、プロダクト全般、およびコーポレート全般を管掌する。

定量データの活用の壁と、定性データとの使い分け

—入社してからはどんなことをやっていたのでしょうか?

anboo: ちょうどリストアップしていたものがあるんですけど、こんな感じです。

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kyosuke: こう振り返るとアナリスト業務以外も結構やってたよね。

anboo: そうなんですよ。色々やらせてもらってすごく濃密だったので、このあたりを話し始めるとすごく長くなってしまいそうです。アナリスト業務の他に何をやってきたのかについては、また別途どこかでお話できればと思います。

—実際に入社してみてギャップはありましたか?

anboo: この中でも当時優先度が高かったのが営業におけるデータ活用で、伸び悩んでいる営業活動をデータでなんとかしたい、最適な顧客セグメントや営業プランを見つけたい、といった期待値がありました。

実際始めてみると、共通のユニークIDが存在せず紐付けられないデータセットがあったり、定義不明のデータ項目が数百個もあったりと、スムーズに分析を始められる状態ではありませんでした。

結果的に、営業管理ツールの根本の設計から作り変えて、過去3年分のデータをきれいにしていくことから始めることとなり、当初の想定よりもかなり重めのプロジェクトになってしまいました。

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kyosuke: 営業管理ツールの導入のとき、本来、当時データに一番明るかった自分が入って設計をしたほうが良かったのだけど、それを怠ってしまっていたので、データがかなり荒れている状態からスタートしてもらっちゃったよね。

anboo: 扱うデータの質の違いにも戸惑いました。今まで触れてきたtoCサービスのシステムログは、プロダクト上でのユーザー行動の大部分を正確に詳細に把握することができます。行動は嘘をつかないので、純粋に分析すれば様々な傾向を掴むことができました。

一方で営業活動履歴は人が記録したものなので、定義のブレやデータの入れ間違え入れ忘れが頻発します。また、お客様の発言や営業担当者の主観がデータの中心だったためバイアスが大きく、これは今までのアプローチが通用しないなと思いました。

—大変だったのですね。その後そのプロジェクトはどうなったのでしょうか?

anboo: 営業チームの協力もあり、無事データはきれいな状態になりました。サービスログが入っているBigQueryに営業ログを入れ、契約前の活動履歴から契約後のサクセス状況まで簡単に一気通貫で分析できる体制になりました。営業とカスタマーサクセスがデータを通してシームレスに繋がったことは、革命的だったかなと思います。

kyosuke: それぞれのチームが独立して違うKPIを追っているとどうしても個別最適に陥るので、全体を通して成果が測れるようになったのは良かったよね。

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anboo: 一方で、当初期待されていた通り、なんでもデータでバシッと答えを出せたかというとそうではなかったです。サンプル数の少なさや先ほど話したようなデータの性質もあって、営業担当者の感覚を信じた方が良さそうな場面の方がむしろ多かったですね。

そのため、データ分析よりも営業担当者とのディスカッションを中心に行い、私自身も営業に同行したり録音を聞いたりして、現場感を掴むことを優先していました。

kyosuke: SmartHRさんみたいなHolizontal SaaSとかと比べると、うちみたいな業界特化のVertical SaaSだとそもそも潜在顧客の絶対数が少なくなるので、数字でみても仕方がない側面が一定はあるんですよね。

そのあたりのデータと感覚による意思決定の話は、以前SELECKさんに取材していただいた記事でも詳しく取り上げてもらいました。

データ活用の期待値すり合わせとカルチャーづくり

—定量と定性、それぞれ向き不向きがあるんですね。

anboo: 当初はまだ社内に「データ分析をすれば魔法のようになんでもわかる」といった過度な期待があったので、定量データの活用が向いていることと向いていないこと、データ分析が成立するための必要条件や制約条件下での限界などを、しっかり時間をとって伝えました。

その上で、依頼されていたものとは異なりますが、今の段階で貢献できそうなことをこちらから提案しました。課題に対する最適解を出すことはできなくても、仮説の確からしさの検証や、全体で見たときのある指標の変化といった、人が気づきにくい傾向の把握や異常の検知などでは役立てられます。

kyosuke: 当時、データ活用についてのドキュメントをたくさん書いて、社内発信を頑張っていたよね。

anboo: データ活用に対して、めんどくさいわりに結果が出ないもの、といった誤解を招くことは避けたかったので、そこは頑張りましたね。対話を重ねて期待値を徐々にすり合わせていき、できるところからデータで価値提供をして信頼を積み上げていきました。

その結果、各チームがデータを活用するために主体的に動いてくれるようになり、データ分析に適したデータを蓄積するためにどうすれば良いかといった相談を事前にもらえるような、良い関係性を築くことができました。

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営業管理ツールにおけるデータの扱いについて、営業チームが自主開催した勉強会

—そうだったのですね。当時、期待値のギャップについてどう捉えていましたか?

kyosuke: 当時は本格的なデータ活用に馴染みがなく、アナリストと一緒に働いた経験もないメンバーが多かったので、データの扱いについての共通理解を作ることは重要だなと考えていました。

組織全体のデータリテラシーを高め、データ活用の良いカルチャーを根付かせていくことは、組織としての競争優位にも繋がると思っていたので、早い段階でそこに取り組み始められたことは良かったですね。

—その後は、アナリストとしてどのような取り組みをされたのですか?

anboo: 基本的なセグメント分析・ファネル分析・相関分析などを行い、サービスの解像度を上げる取り組みをしました。他には、データパイプラインの整備と全社的なモニタリング体制づくりを中心に行いましたね。

最近はやっとデータパイプラインが整い、データベース定義書の作成やSQL勉強会の実施、全社的なクエリのレビュー・蓄積・参照体制の整備など、自分でデータを出して活用できるメンバーを増やす取り組みを行っています。

—データ活用がだいぶ進んでいるんですね。

anboo: やっといい感じになってきましたね。スタートアップにいる知人とデータ活用について話す機会もありますが、ドクターズプライムはフェーズのわりに結構データの活用が進んでいるんじゃないかなと思っています。手前味噌になっちゃって恐縮なんですが。

なにか議題があれば関係者が事前に必要なデータを用意してきて、それをみんなで見ながら議論して意思決定するというのが、以前から普通に行われていますしね。最近はそのプロセスが磨き込まれ精度が上がってきた印象です。

kyosuke: 確かに当たり前になってたけど、改めて考えると結構ちゃんとやっているよね。

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—最後に、スタートアップ初期のデータアナリストとして、どういう人が活躍できると思いますか?

anboo: 1人目のアナリストとして入るなら「自分がデータ活用のカルチャーを作っていくんだという気概」が何よりも大事なんじゃないかなと、やってみて感じました。

社内でデータ活用が上手くハマりそうなところを自分で見つけ、制約のある環境の中で最大限のアウトプットを出し続ける。そして、データについての情報発信を怠らず、他職種にリスペクトを持って対話を重ねて共通理解を作っていく。そういうことに取り組みたいという人は、すごくいいんじゃないかなと思います。

あとはアナリストに限った話じゃないと思いますが 「職域にとらわれずに今目の前で必要なことを何でもやるんだというスタンス」は大事なのかなと思いますね。事業を推進するということを最上位に置いて、アナリストというのをあくまでひとつの武器として捉えられるというか。

私もカスタマーサクセスチームの再立ち上げや新規営業商材の企画設計、プロダクトリニューアルの画面設計など、アナリスト業務以外にも色々と挑戦させてもらっていますが、各領域やることは全然違えど、データという武器を活かして自分らしく取り組めているのかなと思います。

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